新型コロナが5類に移行して以後、国内外の人流が活発化している。各地の観光地は活況だが、一方で特定の観光地が混雑するオーバーツーリズムが問題視されている。早稲田大学大学院情報生産システム研究科の家入祐也講師は、ICT(情報通信技術)を使って人流の調査や誘導を行う日本でも珍しい取り組みを全国で始めている。
>> 詳細をみる1968年公開のSF映画「2001年宇宙の旅」では、宇宙船に搭載した人工知能(AI)「HAL9000」が人間に反乱を起こす姿が描かれた。公開から50年以上を経た現在もAIは進化の途上だが、早晩その知能は人に近づくと考えられている。九州工業大学大学院生命体工学研究科の我妻広明教授は、AIの実用化を進めるが、目指すのはHAL9000の開発ではなく、暴走の抑止だ。
>> 詳細をみる北九州市立大学情報システム工学科の藤本悠介准教授は、制御理論や機械学習を専門とする。制御とはシステムを自在にあやつる動作を指すが、自動車のブレーキ、エアコンの快適動作、エレベーターやロボットの滑らかな動きなど、世の中になくてはならない技術といえる。藤本准教授の研究は今の技術をさらに進め、数学的アプローチを深化させることで産業界の生産性向上に寄与しようと考えている。
>> 詳細をみる早稲田大学大学院の三宅丈雄教授は、バイオエレクトロニクスとイオニクスを融合した「バイオイオントロニクス」という新しい学術分野を、北九州学術研究都市で花開かせようとしている。すでにナノチューブ薄膜と呼ぶ新素材を開発し、再生医療に利用するナノ注射器を製造する大学発ベンチャーを立ち上げた。また新たに眼科向けの医療機器の事業化にも取り組むなど、三宅研究室は九州を代表するバイオ拠点に成長しつつある。
>> 詳細をみる2050年に温室効果ガス排出量実質ゼロにする世界的な取り組み、いわゆるカーボンニュートラルに向けてさまざまな技術開発が進めてられている。二酸化炭素(CO2)排出量の大幅な削減が避けられない中で、欠かせない技術の一つがパワーエレクトロニクス(パワエレ)とパワー半導体といえる。九州工業大学大学院生命体工学研究科生体機能応用工学専攻の大村一郎教授は北九州学術研究都市で複数の企業と連携しながらパワーエレクトロニクス技術による脱炭素社会実現を目指している。
>> 詳細をみる世界中で猛威を奮う新型コロナウイルス感染症は、2023年に入っても収束の気配が見えない。この間海外では複数のワクチンが市場に供給されたが、日本発のワクチンはいまだ供給されていない。北九州市立大学の櫻井和朗教授はワクチンに欠かせないドラッグ・デリバリー・システム(DDS=薬剤送達システム)の研究を学研都市で行っている。夢は日本発の効果的で安全なワクチンの安定供給だ。
>> 詳細をみる厚生労働省と国立がん研究センターが2022年5月に公表した「2019年の全国がん登録」によると、新たにがんと診断された罹患(りかん)者数は99万9075人。男性は前立腺がんが最も多く、大腸、胃と続き、一方の女性は乳房、大腸、肺が上位を占める。注目すべきは男女ともに大腸がんの罹患者が2位と高い位置にある。がんは早期発見が重要だが、検査には肉体的精神的苦痛が伴うことが多く、検査率はなかなか高まらない。早稲田大学の大澤啓介助教はロボットを使って人に負担をかけずに検査する技術を開発、学研都市を拠点に製品化を目指している。
>> 詳細をみる主に学生が制作するロボットの性能を競う「ロボカップ世界大会」で3連覇を果たすなど、九州工業大学のロボット技術は高い評価を得ている。中でも内蔵する人工知能(AI)の技術は、国内のみならず世界のトップを走っている。九工大は研究を主導する「ニューロモルフィックAIハードウェア研究センター」を大学の4つの「先端基幹研究センター」の1つに位置付け、次世代のAIシステム実現を目指している。
>> 詳細をみる我々の周囲には光が溢れている。光は波長がおよそ380〜780ナノメートルの可視光(人間の目で見ることのできる光)を指すが、これに赤外線や紫外線、さらにX線など目に見えない領域を含めることもある。真空中では秒速30万キロメートルの速さで進み、情報の高速な伝達が不可欠な現代社会において必須の物質ともいえる。太陽光やLED光などさまざまな光が人間の生活を支えているが、最近の研究では生物の健康や、病気の発症にまで深く関わっていることが分かってきた。そしてその最先端の研究が学研都市で始まっている。
>> 詳細をみるかつては日本のお家芸とされた半導体産業だが、今や中国や台湾、韓国の後塵を拝して久しい。だが一方で半導体や半導体製造技術を使った応用製品はいまだ世界でも最高レベルの技術力を保ち続けている。MEMS(微小電気機械システム)技術もその一つだ。スマートフォン、ドローン、自動車などなど、社会に欠かせない製品の多くにMEMSが利用されており、最先端の研究が学研都市で始まっている。
>> 詳細をみる1968年公開の映画「2001年宇宙の旅」は、宇宙船に搭載した人工知能(AI)「HAL9000」の反乱が衝撃的だった。それから半世紀を経た現在AIはいまだ黎明期にあり、幸か不幸か人類に反旗を翻すほどの知能を得るに至っていない。九州工業大学大学院生命体工学研究科の田向権准教授は、自らの脳で考えて行動するAIの実現を目指している。人類に反逆するのではなく、人に寄り添い、生活を豊かにするAIの登場はすぐ先の未来にある。
>> 詳細をみるいよいよ2020年度からプログラミング教育が小学校で必修化される。その目的はパソコンなどIT機器の利用ではなく、ものごとの事象を理解し、解決する論理的な思考を養うことにある。福岡県は国産プログラミング言語「Ruby(ルビー)」を使ったコンテンツ産業振興に熱心だが、北九州市立大学の山崎進准教授はこのルビーに文法が近く、より高速で拡張性が高いプログラミング言語「Elixir(エリクサー)」を使った社会実証を研究することで、さまざまな地域課題の解決に取り組んでいる。
>> 詳細をみる地球上に光は溢れている。光は命を育み、また社会を明るく照らしてくれる。一方でその光がどれだけ産業に貢献しているかはあまり知られていない。情報化社会の進歩で光は電気に変わる有力なツールへと変貌を遂げた。今後もデータ通信の低消費電力化や光ニューラルネットワーク技術を使った高性能コンピュータなど、光技術への期待は高まるばかりだ。
>> 詳細をみる生体分子(アミノ酸)が多数連結してできた“たんぱく質”の応用研究が世界中で進んでいる。中でも微生物由来のバイオプロダクトは食品や化粧品のほかに、医薬品や高分子素材など利用できる分野は多岐にわたる。九州工業大学大学院生命体工学研究科生体機能応用工学専攻、環境共生工学講座生物機能分子分野の池野慎也准教授の研究室では、医薬品メーカーと連携して微生物農薬(BT剤)の事業化研究を進めることで、人類最大の敵とも言える、あの害虫に戦いを挑んでいる。
>> 詳細をみる石油などの化石燃料は有限で、増え続ける地球人口を支え続けることはできない。また地球温暖化の原因物質である二酸化炭素(CO2)を抑えるためにも、再生可能エネルギーの確保は人類存続のために達成しなければならない課題と言える。最も有用な資源は太陽光エネルギーだが、技術・コスト両面から本格的普及にいたるにはまだ長い時間がかかると言われている。北九州市立大学国際環境工学部エネルギー循環化学科の天野史章准教授は、北九州学術研究都市で課題克服に挑んでいる。
>> 詳細をみる生体(バイオ素材)とデバイス(エレクトロニクス素子)を円滑になじませる技術は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を始めとする未来の医療・美容・健康ビジネスへ多大な影響を与える。また、身近な製品のスマート化はデバイスの役割や人との関わりを大きく変化させた。これらスマート化の潮流は、今後10年でより幅広い分野に波及することが予想される。早稲田大学大学院情報生産システム研究科の三宅丈雄准教授は、期待されるバイオとエレクトロニクスを融合させる新たな研究を北九州学術研究都市で行っている。
>> 詳細をみる「鉄腕アトム」か「ペッパー」か。日本でロボットと言えばいわゆる人型が連想されがちだが、ロボットに本来求められる役割は人間を手助けし、生活を便利にすることではないだろうか。世の中では既に様々な分野でロボットが活躍しているが、本格的なロボット社会の到来はこれからだ。北九州学術研究都市では、人間とロボットが共存する未来社会を実現すべく、日々研究が行われている。
>> 詳細をみるAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ICT(情報通信技術)…新聞やテレビ、ウェブ上でこれらの用語を目にしない日はない。一般には難解なこれらの技術も、私たちの生活の質の向上に大きく役立っている。社会の進化と情報の進展は密接に関係し、世界は急速に一体化している。北九州市立大学環境技術研究所の永原正章教授は、精密な日本のものづくり技術とデータによる学習を組み合わせて、省エネルギーで快適な「超スマート社会」の実現を目指している。
>> 詳細をみる人は誰もが生涯を健康で過ごしたいと願う。しかし、高齢になれば身体機能は低下するし、事故や脳卒中の後遺症等で思うように身体が動かせなくなることもある。早稲田大学理工学術院(大学院情報生産システム研究科)の田中英一郎教授は、麻痺患者や歩行が困難な高齢者が自らの足で再び歩く希望を持てるように、使いやすく安全な歩行補助ロボットの開発に取り組んでいる。現場の声、ユーザー目線を大事にするその研究姿勢は、サイエンティストというよりエンジニアに近い。
>> 詳細をみる大阪・梅田や長野県軽井沢町のスキーバス転落など、自動車の暴走による大事故が相次いでいる。原因は梅田が大動脈解離、軽井沢は居眠りまたは心筋梗塞と言われており、いずれも運転手が正常な状態でハンドルを握れていなかったことにある。自動車の自動運転実現が間近に迫る中、運転者の生体情報を車両が正確に把握できればこうした大事故の多くを未然に防ぐことができる。そんな夢の技術が学研都市で花開きつつある。
>> 詳細をみるバイオマス資源は、再生可能な自然エネルギーの中でも特に賦存量が大きく、カーボンニュートラルな特性が注目される一方、資源調達コストの高さや反応性の低さがネックとなり、思うように利用が進まないジレンマを抱えている。バイオマスの利用拡大には変換効率の向上が欠かせず、高機能触媒と反応プロセスの開発がそのカギを握っているようだ。
>> 詳細をみるトヨタ自動車が生産するハイブリッド(HV)自動車の世界販売台数が700万台を突破するなど、今やHV自動車は日本の自動車産業の象徴的存在といえる。だがその歴史は浅く、技術的な課題も多い。その一つがシステムの小型化だ。それを解くカギはパワーエレクトロニクス(パワエレ)と呼ばれる電力を効率良く制御する半導体にある。
>> 詳細をみるロボットと聞くと「鉄腕アトム」やホンダの「ASIMO(アシモ)」などの人型を連想しがちだが、実は身近に多くのロボットが溢れている。自動車や半導体など製造現場のほかに、搬送や介護、最近では掃除用なども登場している。今や我々の仕事をサポートしてくれる力強い味方として、なくてはならない存在なのだ。
>> 詳細をみる私たちの研究室では、「電子・半導体産業から排水される有機物の嫌気性微生物による処理」の研究を進めています。現在の主流とまったく逆な排水処理法で、メリットと活用が多く見込めるものです。
>> 詳細をみる私の研究室では、近未来の生活向上を見据えた研究を進めています。8つある研究テーマのなかで、今回は「自動運転」と「照明制御」に絞って、できるだけわかりやすくご説明します。
>> 詳細をみる私たちの研究室では、授業支援システム「Key Words Meeting(KWM)」の研究・開発を行っています。KWMとは、授業における「学生の反応の収集・評価および授業改善」といった一連の活動を支援するICTシステムです。毎回の授業内容が学生にどの程度伝わったかを調べる機能や、学生の理解内容に対して先生がそれぞれにコメントを出せる(フィードバックできる)機能などを備えています。
>> 詳細をみる私どもの研究室では、人間活動、社会経済活動を環境システム面から分析することに重点を置いた研究を行い、循環型社会や低炭素社会形成のために、環境システム工学や社会工学等の手法を用いてさまざまな課題に取り組んでいます。
>> 詳細をみる私たちの主要な研究テーマの一つは、ツイッターやフェイスブック等のソーシャルメディアを対象としたデータマイニングです。データマイニングとは、コンピュータを利用して世の中にあふれている膨大なデータの山を“採掘 (mining)”し、価値の高い情報を効率よく見つけ出す技術です。
>> 詳細をみる当研究室では主に、ペプチドを用いたナノ構造体の形成および機能性ペプチドの設計と合成を行っています。ペプチドというのは、アミノ酸が数個から数十個つながったもので、さらに約50個以上つながるとタンパク質と呼ばれます。言い換えれば、筋肉や皮膚など身体をつくる材料になったり、分解や代謝などの酵素として働いているタンパク質の一部、その小さな構成ユニットがペプチドです。
>> 詳細をみるシステムLSIが大規模化・複雑化するにつれて、実用的で高性能な自動設計ツールの開発が強く求められています。LSIの設計は機能設計、論理設計、レイアウト設計の順に行われますが、当研究室では主に機能設計の自動化や、レイアウト設計前のフロアプランにターゲットを絞って、その最適化に取り組んでいます。
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