研究者情報

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松丸 隆文/早稲田大学大学院情報生産システム研究科
名前 松丸 隆文
ふりがな マツマル タカフミ
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大学名 早稲田大学大学院情報生産システム研究科
学科・専攻
(講座)
情報アーキテクチャ分野
担当科目 ロボット工学,生体工学,ヒューマン・ロボット・インタラクション 役職 教授
連絡先 〒808-0135 福岡県北九州市若松区ひびきの2−7 TEL (093)692-5241
FAX (093)692−5021
学位
(授与機関)
博士(工学)早稲田大学 取得年 1998年
(1)主要な研究テーマ及び研究領域等
研究テーマ・研究領域 バイオ・ロボティクス&ヒューマン・メカトロニクス 1. 移動ロボットの遠隔操作システム 2. 移動ロボットの意図・行動の予告 3. 人間共存ロボットの形態・動作 4. 人間共生ロボットの対人インタラクション 5. 人の運動・動作の計測と解析 6. メカトロニクスの体系的な学習方法
キーワード ロボット工学robotics、生体工学bioengineering、ヒューマン・ロボット・インタラクションhuman-robot interaction、実体情報学embodiment informatics、システム・インテグレーションsystem integration
当該テーマ・領域の概要及び特徴 (1)課題設定
 人と機械の親和性・有用性の向上を志向したヒューマン・ロボット・インタラクション(HRI, Human-Robot Interaction)を深化させたい.
 普通の人々の普段の生活に役立つ技術を目指しながら,研究室や個人として独創性や特有性を主張できるようにと模索している.これまでも,資金も人材も潤沢ではない環境で研究に特徴を出すために,発想や着眼点に独自性を持たせる,早く成果を出して発表する,を心掛けてきた.
 −モジュール型マニピュレータ・システム
 −バルサルバ効果に着目した腰を痛めない重量物挙上動作
 −ロボットの意図(これからの動作)の周囲の人への予告
 −プロジェクション・インタフェース
これらについては,掲載論文が参照引用されることや投稿原稿の査読依頼を受けることも増えてきたことから,少しずつその成果や価値が認められてきている,と自負するところである.
(2)情報発信
 さまざまな手段で研究室から外部へ情報を発信してゆく.
 研究室では,学会発表・展示会出展・イベント参加などの機会をできるだけ多く作り,特にデモンストレーションを重視している.研究室の外に持ち出して現場できちんと動くこと,特にその場でトラブルシューティングすることがとても重要だと考えているからである.そのためには持ち出す前に,さまざまな条件下でも動作する頑健性や,ある短時間だけでなく定常的・連続的に動作できる安定性についての配慮が必要になる.また,適切な目標を設定してそれらをひとつひとつ達成しながら最終目的に進んでゆく事業推進や工程調整・自己管理の訓練にもなる.さらに,各自が担当するテーマの実社会・日常生活との関係や意義を考える機会にもなる.一方,展示会では,説明やデモンストレーションで情報発信するばかりでなく,アンケート調査を実施するなどでフィードバックを得るようにしている.専門家ばかりでなく想定するエンドユーザ(ターゲットユーザ)から得られる評価や意見は,時には励みになり,時には次の研究のタネになる.
(3)共同研究
 学内外ともに共同研究をさらに進めてゆく.
 「北九州市学術・研究振興事業大学連携促進助成事業」にも採択されている産業医科大学との医工連携に関連して,当研究室で研究開発した「画像投写式卓上型上肢訓練装置(IDAT, Image-projective Desktop Arm Trainer)」が,産業医科大学病院リハビリテーション部にて臨床試用されている.医工連携は情報生産システム研究科・情報アーキテクチャ分野が注力しようとしている重要な課題のひとつであり,今後もその一翼を担ってゆきたい.
 情報生産システム研究科の特徴のひとつである「海外連携プロジェクト」の支援により,外国の大学との交流を進めてきた.
 −インド工科大学デリー校(IIT Delhi)機械工学科 Subir Kumar Saha教授
 −北京大学信息科学技術学院智能科学系 査紅彬教授
 −北京理工大学機電学院智能机器人研究所 黄強教授
特にIIT Delhiとは,「先進メカトロニクス技術の普通の人々の生活への適用(Application of advanced mechatronics technology to ordinary people’s lives)」の推進を最終的な目的とした連携を進め,助教・研究員や博士課程学生に滞在してもらい共同研究する活動が3年目になる.具体的には,児童の言語や算数の学習に使用できる,音声・映像フィードバック付のインタラクション型教育システムに取り組んでいる.2014年4月のIIT Delhiのオープンキャンパスで一部公開し好評を博したと聞いている.成果として共著論文の投稿などを進めている.
 昨今のロボティクス・メカトロニクス分野の研究開発は,技術の先鋭化や多様化は進んでいるが,さまざまな要素技術を組み合わせて新たな機能や価値を創造するシステム・インテグレーションという本来の役割があまり果たされていないように感じる.そこで,先進工業国の消費文化にモノや利便性を追加するだけでなく,より多くの人々の日常的な生活における喫緊の問題や要望を見極め,それに対する解決策を提案することも,新たな展開として進めてゆく.
主な論文・著書又は研究活動 ◆著書
[B1] 生体機能工学, 東京電機大学出版局, (2008.10). ISBN: 978-4-501-41750-5
◆論文(学術誌)
[P1] Human Detecting and Following Mobile Robot Using a Laser Range Sensor, J. of Robotics and Mechatronics, 26(6)718-734, (2014.12).
[P2] Image-Projecting Desktop Arm Trainer for Hand-Eye Coordination Training, J. of Robotics and Mechatronics, 26(6)704-717, (2014.12).
[P3] A Walking Training System with Customizable Trajectory Designing, Paladyn. J. of Behavioral Robotics, 5(1)35-52, (2014.06). DOI:10.2478/pjbr-2014-0003
[P4] Design and Evaluation of Throw-over Movement Informing a Receiver of Object Landing Distance, in C. Ciufudean and L. Garcia (ed.): Advances in Robotics - Modeling, Control and Applications, iConcept Press, 171-194, (2013.03).
[P5] Development and Evaluation of Operational Interface Using Touch Screen for Remote Operation of Mobile Robot, in C. Ciufudean and L. Garcia (ed.): Advances in Robotics - Modeling, Control and Applications, iConcept Press, 195-217, (2013.03).
[P6] Comparison of Displaying with Vocalizing on Preliminary-Announcement of Mobile Robot Upcoming Operation, in C. Ciufudean and L. Garcia (ed.): Advances in Robotics - Modeling, Control and Applications, iConcept Press, 133-147, (2013.03).
[P7] ステップ・オン・インタフェース技術を応用したユーザー・ロボット・インタラクション, 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 15(3)335-345, (2010.09).
◆論文(国際会議)
[C1] Human-Machine Interaction using the Projection Screen and Light Spots from Multiple Laser Pointers, 2014 IEEE/SICE International Symposium on System Integration (SII2014), [Tokyo, Japan], 16-21, (2014.12). DOI: 10.1109/SII.2014.7028004
[C2] Real-Time Finger Naming Based on Contact/Non-Contact Sensing by RGB Camera and IR Depth Sensor, 2014 IEEE International Conference on Robotics and Biomimetics (ROBIO2014), [Bali, Indonesia], 931-936, (2014.12). DOI: 10.1109/ROBIO.2014.7090452
[C3] Measuring the Performance of Laser Spot Clicking Techniques, 2013 IEEE International Conference Robotics and Biomimetics (IEEE ROBIO 2013), [Shenzhen, China], 1270-1275 (2013.12). DOI: 10.1109/ROBIO.2013.6739639
[C4] Image-projective Desktop Arm Trainer IDAT for Therapy, The 22nd IEEE International Symposium on Robot and Human Interactive Communication (IEEE RO-MAN 2013), [Gyeongju, Korea], 501-506, (2013.08). DOI: 10.1109/ROMAN.2013.6628411
[C5] Robot Human-following Limited Speed Control, The 22nd IEEE International Symposium on Robot and Human Interactive Communication (IEEE RO-MAN 2013), [Gyeongju, Korea], 81-86, (2013.08). DOI: 10.1109/ROMAN.2013.6628443
◆活動(展示デモ)
[X1] 第41回国際福祉機器展H.C.R.2014, 2014.10 (3day), 東京国際展示場 東ホール
[X2] 2013国際ロボット展 RT交流プラザ, 2013.11 (4day), 東京国際展示場 東ホール
[X3] 北九州学術研究都市第13回産学連携フェア, 2013.10 (3day), 北九州学術研究都市
[X4] 北九州学術研究都市第12回産学連携フェア, 2012.10 (3day), 北九州学術研究都市
[X5] 第49回 日本リハビリテーション医学会学術集会, 2012.05-06 (3day), 福岡国際会議場




応用可能な分野 知能機械・機械システム
(2)企業向けメッセージ
企業向けメッセージ 大学教育(早大故加藤一郎研究室)を受けて以来,企業勤務(12年)・地方国立大学勤務(11年5ヶ月)とその研究開発・教育活動は多岐にわたるが,「人と機械のより良い関係」を目標にした一貫した活動だと考える. 研究課題と現実世界との関連を常に意識し,あくまでも実際の生活の中で役立つロボティクス・メカトロニクス・システムを考える. 研究成果は,学会誌や専門誌の学術論文にするだけでなく,新しい機能や使いやすさとして世の中に提案してゆくこと,社会にインパクトを与えるような発表をしてゆくことが重要だと考える.
(3)学外活動・学会活動
学外活動・学会活動 ◆所属学会 
 バイオメカニズム学会
 日本ロボット学会
 計測自動制御学会
 日本機械学会
 IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)
 ヒューマンインタフェース学会
 日本バーチャルリアリティ学会
 IAENG(the International Association of Engineers)
 自動車技術会
◆学会の役員 
・バイオメカニズム学会
 理事(2010.04〜現在),評議員(2006.04〜10.03)
・計測自動制御学会
 評議員(2008.01〜2011.03),システムインテグレーション部門 部門運営委員会 委員(2005.04〜08.03,2008.04〜10.03),中部支部 役員(2005.01〜06.12,2008.01〜09.12)
・日本機械学会
 ロボティクス・メカトロ二クス部門 代議員(2009.04〜2011.03),ロボティクス・メカトロ二クス部門 部門運営委員会 委員(2009.04〜現在),バイオエンジニアリング部門 代議員(2006.04〜2011.03),バイオエンジニアリング部門 部門運営委員会 委員(2006.04〜08.03)
◆開催
[01] 日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス部門 ロボティクス・メカトロニクス講演会2012(Robomec2012)[2012.05, 浜松] 実行副委員長
[02] バイオメカニズム学会 第31回バイオメカニズム学術講演会(SOBIM2010)[2010.11, 浜松] 実行委員長
[03] 計測自動制御学会 中部支部 2006年度中部支部静岡地区講演会 [2006.12, 静大] 実行委員長&プログラム委員長
[04] 第8回ロボティクス・シンポジア [2003.03, 浜松] 実行委員長
(4)その他
その他 (1)講義における教育
 将来にわたって多面的な思考と行動力で実社会におけるさまざまな課題に対処できるシステム・インテグレータを育てたい.
 担当する講義はすべて英語で実施している(要望に応じて日本語で補足する)が,これまで重大な苦情や申し立てはない.しかしまだ語彙が乏しく仔細な部分や微妙な差異の伝達が難しいことは自覚しているので,語学や講義法については今後も研鑽を続けてゆく.
 さまざまな工学技術の統合集積であるロボティクス・メカトロニクス・システムの構築は,解が唯一に定めることが難しい設計問題である.そこでは,まず最新技術を常に把握して使える知識として蓄えておくとともに,さまざまな制約条件から優先順位をつけて自分なりに解を定めるには,適切な要素技術の選択眼や組み合わせの技量が必要である.そこに技術者としての個性やセンス(優劣)が表われる.さらに人が使う・人の身近にある機械であるためには,機能を実現するための工学だけでなく,人・生体や社会全体に対する知識・興味・関心とそれに基づく配慮も必要になる.それに対して独立専攻では,入学した学生のこれまでの経験や知識はさまざまである.そこで,現在の専門的な技術や知識の習得よりも,ロボティクス・メカトロニクス技術を題材としながら,将来にわたってさまざまな物事に対して興味と関心を持ち続け,必要に応じて情報を探し出して利用できる手段や,多面的な思考力と行動力で課題に対処できる能力を身につけることを重視している.
 講義では演習や課題において,単純な調査とまとめだけでなく,個人の立場や考え方を明らかにした論理的な展開や説得力のある議論を要望している.学際的な研究には高度な専門性が必要であるため視野が狭くなりがちであるが,どの技術も実社会や日常生活につながっていることを常に意識させるように心掛けている.専門分野を深めようと考える学生にとっては物足りないと感じるかもしれないが,それには研究室を選んでもらうしかないとも考える.大学院での講義科目の位置づけも含めて講義内容はさらに検討してゆく.
(2)研究室での教育
 世界に向けて新しい事物を発信でき,未来を託すことができる技術者・研究者を育てたい.
 主宰する研究室(Bio-Robotics and Human-Mechatronics Laboratory)の大目的は,人と機械のより良い関係の構築である. 一方,技術者・研究者に望ましい根性・気質は,(1) 執念・粘り強さ・集中力・忍耐力,(2) 細部への気配り・こだわり・正直さ・素直さ,(3) 着実性・確実性・損して徳とる・急がば回れ,などだと考える.これらを修得するひとつの方法は,実際に何度も失敗を繰り返して学ぶことである.社会に出ると時間的・経済的に効率が優先されるので難しいが,教育研究機関での,特に失敗した経験は,あとで必ず生きる.
 徒弟制度での厳しい指導は逆効果になることもあるが,実地訓練(OJT, on-the-job training)は有効な教育方法である.特にロボメカ・システムでは,設計・製作・組立・調整・評価を繰り返すことで教育効果を高めることができる.さらに責任と自覚や新しい事物を発想する力の育成には,技術の最先端の環境が必須条件であり,研究室の姿勢や活動内容に懸かっていることをいつも意識している.理想とする教育研究の水準を高く設定すれば苦しいこともあるが,徐々に意欲のある志の高い学生が集まってくるようになり,学ぶ場・研究する場としての体制が整いつつある.
 理工学術院では「実体情報学博士プログラム」が文部科学省「博士課程教育リーディングプログラム」に採択されているので,学生にはプログラムに参加できるような環境・情況を整備したい.
(3)その他
 留学生を受け持つことの意味の一つは,外国の若い人に日本に対する理解を深め,親近感をおぼえ好感をもってもらうことだと考える.私自身が,彼らが親密に接する日本人の一人であり,ものの見方・考え方や一般的な行動様式・生活習慣などを理解してもらうように努めている.例えば,家族の協力もあり,正月に自宅に学生を招き,正月料理,すごろく,百人一首などで楽しんでもらう機会は,研究室の恒例行事のひとつになりつつあり,今後も続けてゆきたい.

(5)大学HPの研究者ページ等
大学HPの研究者ページ等
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